――なぜこのプロジェクトでLive2Dを使おうと思ったのでしょうか?
コスト面でのメリットに加えて、極めて繊細な再現が可能なLive2Dは、VTuber制作の最適な選択です。
Cool次元では、さまざまなバーチャルキャラクターをいろいろな技術で実現しています。
例えば3Dモデリングやフェイシャルキャプチャなど、VTuberの表現スタイルをより豊富なものにしていきたいと思っているのですが、その上でLive2Dは欠かせない技術です。Live2Dを使うことでいろいろなスタイルのバーチャルアイドルたちを生き生きと動かすことができ、VTuberを見るユーザーたちの選択肢を広げることができます。
また、Live2Dでしかできない2Dアニメに近い手書きのスタイルは、多くの二次元ファンが持つ「二次元」のイメージにピッタリです。その上、バーチャルキャラクターのリアルで繊細な再現が可能ということで、今後もっと多くのLive2Dのバーチャルアイドルが出てくるのを楽しみにしています。
――Live2Dの最大の魅力を高く評価していただき、とてもうれしいです!Live2Dを導入するにあたって、直面した問題点などはありましたか?
Live2Dのバーチャルキャラクターの顔の動きは、ライブ配信で中の人がファンと直接交流する上で、非常に重要な役割を果たしていますが、これを実現するために、顔駆動アルゴリズムの研究を行いました。
顔の中のキーポイントとなる情報に合わせて、目や口、眉、顔の向きなどの顔情報の演算処理を行うことで、中の人とキャラクターの顔情報を結びつけ、キャラクターと中の人が同じ表情になるようにします。スムーズに動くように、アルゴリズムやパラメータの調整を繰り返して、最終的に一番良いものを選びました。
——Live2Dを使ってみて感じた課題などはありますか?
中の人がLive2Dを使う際には、バーチャルキャラクターの素材をインポートする必要がありますが、中の人がより手軽にバーチャルキャラクターをインポートできるように、インポートデータのフォーマットの基準を決めたり、公式バーチャル素材パッケージを用意したりする必要があると感じています。
——プロジェクトやチームの今後の計画を教えていただけますか?
将来的にはバーチャルなコミュニティを作り上げようと計画しています。そこにはバーチャルアイドルがいて、ユーザーも自分が作ったバーチャルキャラクターでそこに加わることができるようにします。ライブ配信やテキスト、動画、画像だけに限らず、もっと多くの製作者がバーチャルのコンテンツの制作に取り組めるように後押ししていきたいと思います。
――最後にひとことお願いします!
今後、キャラクターを振り返らせるなどの基本的な動作がLive2Dでできるようになると、バーチャルキャラクターとのやり取りの幅がもっと広がると思います。
――本日はありがとうございました!