企画のネタ出しのタイミングから、ディレクター、エンジニア、デザイナーが全員参加で進めており、各々がタイトルに対する愛着が深いチームだと思います。普段の弊社タイトルとは少し違う毛色のタイトルのため、各部門から精鋭を集めてもらったチームです。
一方で、掲載はボツになったのですが……実はプロモーションの一環で、制作チームの各班対抗で、キャラクターをイメージしたお料理を作るというふわふわな企画もやっていたりする仲良しチームだとも思っています。(インタビュー回答者様は浅草十二階をイメージしたタワー型ちらし寿司を作られたそうです。気になる……。)(Interview by Live2D Inc. | March 9, 2020)
――ボルテージさんといえばこれまで多くの女性向けアプリを世に送り出してこられたイメージですが、このプロジェクトはどのように始まったのでしょうか?
新たなスタイルの恋愛ドラマアプリを生み出すというところからスタートし、コンセプトは「明治時代×あやかし×輪廻」となりました。
それまでの恋愛ドラマアプリのファン層は30~40代の女性が多かったのですが、本作では近年のアプリ市場に多い20代の方にもプレイしてもらえるよう意識して作り込んでいます。ゲーム性はいろいろな方向性を検討しましたが、お客様が欲しい物となると推し彼のクオリティの高いイラストに勝るものはないと考え、カードゲーム型を採用しました。
--アプローチとしては高クオリティのイラストだけでも充分な人気を得られそうですが、Live2Dを導入したことにはどのような理由があるのでしょうか?
弊社他タイトル内ではLive2Dを映像表現の中で多く使ってきていたので、その技術を活かしてアプリ内でもキャラクターの内面を演技で表現してみたいと思っていました。キャラクターへの掘り下げが強く必要となるあや恋のようなタイトルに合っているのではと思い、導入の運びとなりました。
「あやかし」のキャラクターで「敵との闘い」と「恋愛」があるストーリーの特性上、妖術やアクションシーンのような動きのある表現ができ、かつ元のイラストの良さを残したまま恋愛モードの繊細な演技ができるLive2Dは最適だったと思います。
--「イラストの良さを残したまま繊細な演技を」というのはLive2Dが持つ最大の魅力ですので、その点を評価いただけたのは大変嬉しく思います!表現以外の部分で、Live2Dを導入したことによるメリットを感じたことはありますか?
Live2Dモデルという資産があることによってそれを利用したプロモーションや商品展開ができたと思います。リリース当初に「お祓いムービー」というLive2Dのモデルを使った占いのようなコンテンツを出したり、カードにLive2Dの特別な衣装やモーションをつけたものを出していたりします。
またイラストチームの負担を削減するために、Live2Dで立ち絵の表情差分を作るという普段の弊社アプリとは逆の作り方をして、生産ラインの効率化もできたと思います。
--Live2Dで立ち絵の差分を作るというのは面白い活用ですね!そんな中でもLive2Dの表現で大変だったと感じた所もあったのではないでしょうか?
舞台が明治時代のため、キャラクターの大半が着物を着ているというのが、地味に苦しかったです……(笑)
全員洋装だったら三分の二ぐらいの工数でできたかもしれません。
袖の表現がかなり難しく、イラストチームと綿密に打ち合わせて袖と袂を切り離した形で描いてもらってなんとかうまく表現できたと思います。内製で密に協力できたからこそできたことかなと思っています。またポーズ替えを切り替えではなく、すべてシームレスに変わるようにこだわって作ったので、そこも大変でした。刀を抜くポーズなどの戦闘ポーズも、シームレスに見えるように頑張ったので、ご覧いただけると幸いです。
--中でも特にこだわったポイントはありますか?
ホーム画面で彼が「壁ドン」をしてくれるシステムを導入しました。いつもは同じ位置にいる彼が突然近づいてきて甘いセリフとともに壁ドンをしてくれます。映像制作でよくやっていた表現として、あえて腕や頭を見切れさせることで、より臨場感ある表現にできたかなと思っています。
--「壁ドン」はボルテージさんならではという感じがしますね。最後に、Live2Dをプロジェクトに導入したことで感じた利点や課題点があればお聞かせください。
あや恋に限らずですが、お客様の「いつもの彼」のイメージを壊さずに、命を宿すような表現ができる部分が最大の利点だと思います。
また、モデルづくりが短工数でできる点も、弊社のようにキャラクターを多く扱う会社にとってはありがたいですね。
ただコスト面はやはり難しいところではあります……。それを補えるようにLive2Dがプロジェクトにおいて”売り”として成り立つような着せ替えや壁ドンシステムなどで、お客様のニーズにこたえていけるようこれからも製品開発を頑張っていきます!
--ありがとうございました!